32年振りに高校時代の同級生に会いました。
野球部のチームメイト矢田憲二くんです。
5番を打つ強打者でありながら、左腕のリリーフ投手でもありました。
現在は大手石油会社の課長さんで、
我が母校、近大福山高校野球部OB会の会長さんです。
(OBには元ロッテの村田兆治さん、元ヤクルト→元巨人の浅野啓司さんがいます)
新橋の蒸気機関車の前で夕方5時半に待ち合わせです。
わかるもんですねえ、30年振りでも。
「おぅ!高山!」
「おーーーっ矢田じゃなーか!」
と感動の再会でした。
新橋の焼鳥屋さんで酒を酌み交わし、高校時代の思い出に花を咲かせました。
ほとんど、おやじ丸出しの会話。誰が見ても、かなりの'やさぐれおっさん'の飲み会となりました。それもでっかい声で広島弁丸出しとくれば、危ないおやじたちですよねー。
実は・・・
高校の野球部時代のチームメイトに会ったら、みんなに謝りたいことがありました。
大人になった今でも夢に出てくる辛くて苦い思い出、今でも悔やまれる一つのプレーが脳裏から離れないのです。人生を変えた大失策とさえ思うことがあります。私はチームメイトに会ったら、みんなに謝ろうと30年間思い続けてきました。
それは・・・
2年生となり新チーム結成、不肖高山が主将に選ばれ、春の選抜の県予選に臨んだときのことです。
順調に勝ち進み、準決勝の強豪広島商業戦。6回まで0−0の接戦が続いていましたが、7回にノーアウト満塁のピンチをむかえたのです。
強豪相手の投手戦、一つのミスが勝敗を分けます。ナイン全員が緊張のピークでした。そのとき三塁手の私のところに絶好のダブルプレー向きのゴロが飛んできました。
「ヨッシャッ!」と思った自分の気持ちとは裏腹に緊張で肩に力が入ってしまい、
ホームに暴投...ダブルプレーどころかタイムリーエラーをしてしまったのです。
捕手も呆然、内野手も全員が呆然と立ち尽くしていました。スタンドから「ウォー」という轟音のような歓声で、我を見失い、白球がファールグランドを転々と転がるのを全員がボーッと眺めている・・・
その光景が、今でもはっきり私の脳裏に焼きついています。
気がついたら、塁を埋めていたランナーたちが私の目の前を凄いスピードで次から次へと通り過ぎ、ホームに走り去っていきます。
監督がグラウンドに飛び出し「ボールを追え!早くボールを!」という大きな声に気づいたときには、三人目がサードベースを回っていました。
結果は1−7で敗退。同時に春の甲子園の夢も絶たれました。
私のエラーで負けたのです。
しかし、、、
試合後のロッカールームで自分自身を反省した記憶が無いのです。
チームメイトに「俺が悪かった・・・ごめん」と謝罪した記憶が無いのです。
私は大人になって初めて、みんなに謝っていない自分に気づきました。
あのとき反省すらしなかった自分に、社会人になって初めて気づくのです。
今でも、年に数回あのシーンを思い出します。昼も夜も、もちろん仕事中もです。
その度に、
なんで謝らなかったんだろう・・・
オレって、勝手なやつだよなあ・・・
人の気持ちを思いやれない、ひどいやつだなあ・・・
みんな怒っているだろうなあ・・・
あのエラーがなければ甲子園に行けたかもしれないのに・・・
甲子園に行っていたら、みんなの人生も変わっていたかもしれないのに・・・
社会人となり、管理職になって「謝れない上司「人の気持ちを思いやれない上司」と言われたことがあります。経営者になった今も「社員の気持ちがわからない社長」「もっと、自分たちを見てほしい、愛してほしい、愛が足りない社長」と言われることがあります。
その度に、このシーンを思い出すのです。
謝れなかった自分、チームメイトを思いやれなかった自分を思い出し、高校時代から成長していない自分にとても悩んでしいました。
その通りだよなあ・・・
あのときみんなに謝れない男だもんなあ・・・
彼らの悔しさがわからない男だもんなあ・・・
オレは俺しか見ていない男かもしれない・・・
俺って、ほんとうに勝手なヤツだなあ・・・
ずーっと、そのことに悩み、後悔し続けてきました。
いつかわからないけど、チームメートに会ったら、一人一人に自分のエラーを謝ろうと、心に決めていました。
飲み会も終わりに近づき、矢田くんに聞きました。
「広島商業戦覚えとる?あれ勝ったら神宮大会出場で甲子園が見えたのにのー」
「あー」
「わしのエラーで負けてのー」
「はあっ!?そんな昔のこと覚えとるんか!?」
「大人になっても、あのことは忘れたことがない・・・」
「高山!みんなエラーしとる、お前だけがエラーしたわけじゃない。わしもいっぱいエラ ーした。お前にも助けられた。わしも、いっぱいみんなに助けられたけん」
「いやー、わしキャプテンじゃったし...みんなに謝らんかったことを後悔しとるんよ」
「高山、エラーしたのはお前だけじゃない」
私は、この言葉に胸が熱くなり、次の言葉につまってしまいました。
同じ涙と汗を流した彼らとの3年間、野球ができてよかったと思いました。矢田くんをはじめとするチームメイトたちと同じ釜の飯が食えて本当によかった。
それは、私の30年あまりの胸のつかえがスーっと消えた瞬間でもありました。
「エラーしたのはお前だけじゃない」
私の人生の中の貴重な一言、そして忘れられない言葉となりました。
「俺は一人じゃない」
そう思えた瞬間だったからです。
30年振りに同級生に会えて本当によかった。謝ることができて本当によかった。
OB会での再会も約束をしました。そのときは、チームメイト全員に謝ります、必ず。
矢田!
ほんとうにありがとうのー
会えてよかったわい
謝れてよかったわい
涙が出るのー。
近畿大学付属福山高等学校
野球部主将 高山 なお〜!
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